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コラム

○ぎこちない動きの理由

発達障害(神経発達症)といわれる子ども達は、運動面での難しさに悩むことが多くあります。自分の身体を自由に動かすことが難しく、運動の際に過剰な力みやぎこちなさがみられることがあります。さらに、物を自由に操作することが難しいと、本人にそのつもりはなくても生活の中で物を乱暴に扱っているように誤解されることもあります。

自分の身体をどう動かせばどうなるのか、物をどう操作すればどう変化するのかといった予想と実際の動作にギャップがあることが原因です。身体や物をうまく動かして使う力をつけるために、操作系といわれる運動を増やしていくことをおすすめします。

○どんな運動があるの?

操作系の運動とは、身体を動かすことで物を操作して行う運動です。ブランコや縄跳び、ボール投げなどです。身体をどう動かせば物がどう動くのかを理解していないと難しいものばかりです。例えばボールを投げるという動作では、身体から離れたボールがどう動くのかを予測して身体の動きを調節する必要があります。ボールを握る力加減や腕の動き、手を放すタイミングと重心移動など、微妙な調節が多く必要になります。

○物を操作する力をつけよう

ある子どもは、「ペンは静かに置きましょう」と何度注意しても机へ放り投げることがあります。ここで考えるべきことは、「置く」と「放り投げる」の動作の違いを本人がイメージできているかということです。どちらも手から机へ移動させているという意味では同じです。本人のイメージと実際の動作にギャップがあると、ペンを「置いた」つもりでも「放り投げた」ように思われることがあります。手を放すタイミングや位置、腕の動きの強弱など、手をどう動かせばペンがどう動くのかを学ぶことが必要です。さらに、ペンが音を立てて机に当たることが、ペン自体や周りの人にどう影響するのかといったことを学習する機会にもなります。他にも「押す」と「支える」、「触れる」と「叩く」の違いが難しいために誤解され、何度も見当違いな指導がされることがあります。実際に身体の動きと物の動きを合わせて意識する力をつけていく練習が必要なのです。

○操作系の運動がよりよい生き方を支える

操作系の運動をする機会を増やすことで、物の動きの性質を理解し、自分と物の位置関係を把握してどう動こうかと判断し、実行する力を鍛えることができます。そのため認知面の発達が促され、社会に適応していく強い力をつけていく助けになります。また、道具を使った操作系の運動は、発展させていくことでゲーム性を取り入れやすく仲間と共に楽しみやすい特徴があります。

運動は食や睡眠のリズムにも良い影響を及ぼし、転倒などとっさの場合に安全を守ってくれる大切な習慣の一つです。将来に渡って健康な心と体を維持して活動的に生きることを目指し、心から楽しめ続けられる運動を増やしていくようにしましょう。

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