コラム
2022.06.19
発達障害(神経発達症)をもつ子どもの個性をのばす
○「できない」よりも「できる」に注目!
発達障害(神経発達症)をもつ子どもは、どうしても「できる」ことよりも「できない」ことに目が行きがちです。ADHDの特性で集中力がない、多動であるとか、自閉症スペクトラム障害(ASD)で人の気持ちがわかりづらいとか。しかし、一方でどんな子でも、人よりも得意なことがあったり、ユニークな個性を持っていたりするものです。苦手を克服してあげたいという気持ちはわかりますが、そればかりだと子どもにとって精神的な負担になってしまうこともあります。今回は、「できる」に注目してその個性をのばすことについて考えてみましょう。
○個性を見つけよう
個性というのは、本当に子どもによってさまざまです。「聴覚での理解は難しいけれど、視覚を使えば理解が早い(逆もしかり)」「普段は飽きっぽいけれど、好きなことはいつまでもやっていられる」というのも立派な個性でしょう。お話し好きで明るかったり、こだわりがあって整理整頓が得意だったり、単純で連続した作業が得意だったり。「できること」や「いいところ」を見つけてあげれば、それがその子の個性になっていきます。一般的には知能検査として知られているWISCーⅣやKABC-Ⅱなどの心理検査も、実は個性を見つける手助けになるものです。
○個性は褒めてのばす
個性をのばすには、まず一番身近な人が発達障害(神経発達症)をもつ子どもの個性を認めてあげることが大切です。いいところはどんどん褒めてあげるようにしましょう。興味を持って取り組めていることや集中していることは、できるだけ続けさせてみてください。ただし、いくら得意なこと、好きなことだからといって周りから行動を強制してはいけません。あくまでも、自身が自発的・主体的に取り組むことがポイントです。好きなことをして褒められたり、うまくいった経験が積み重なったりすると自己肯定感も高まります。
○個性が発揮できる環境を整えよう
個性を伸ばす場は、家庭内や学校だけにとどまりません。公的な発達支援センターなどのほか、発達障害(神経発達症)をもつ子どもの障害特性や一人一人の個性を理解して、指導してくれる民間の発達支援塾も増えてきています。子どもの成長を応援してくれる大人は一人でも多い方が心強いもの。子どもの個性がわからない、どうしても自発的な活動に結び付けられないなど家庭内での悩みにも、第三者の存在が助けになります。周りからの刺激で、子どもの成長にもつながるでしょう。子どもが個性を発揮しやすい環境を整えてあげることが大切です。
○個性をのばして苦手をカバー
個性をのばすようにしてあげると、自然と自己肯定感も高まり、よい循環が生まれやすくなります。苦手なことの失敗もおおらかに捉えられるようになったり、精神的に安定したりするのも一例でしょう。また、子どもによっては個性が苦手をカバーするのに役立つこともあります。個性を生かしたサポートで日常の困りごとが解決できないか、考えてみるのもおすすめです。
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